この声が続く限り
*Band*
バン!!

勢いよくドアが開く。

「癒歌!!」
「へっ・・・?」

「あ~、ココにいたんだ~。なぁなぁ!!お前、学園祭でうたえ!!」

「は・・・?何、言ってんの。急に・・・」
「今度、学園祭あるだろ??お前の歌、みんなに聴いてほしいから。」

「はぁ・・・。」
「でも、お前1人でうたうとか絶対嫌がるだろうから、俺が一緒にうたう!!」

「えっ・・・、でも私歌手だし・・。」

「どうせ、お前仕事ないんだろ??ヒマなら、いいじゃん!!」

私が、売れないのは顔が可愛くないとか、歌が下手とかではなかった。

事務所の人は、

「顔も悪くないし、歌はすごく上手なのにイマイチ本人のやる気がね~・・・」

なんて言葉をもらしていた。

私は、優勝賞金目当てでお母さんに出された歌のコンテストで優勝してしまった。

すると、今の事務所にスカウトされ、お母さんは芸能界のような華やかな世界がとても好きらしく、迷わず私を事務所に入れた。

でも、人見知りなんてしまくりで、人との関わりすらあまり得意ではない私はあまり気が向かなかった。

でも、翔とうたえるなら・・・

私は小さくうなずいた。

そのとき、私は翔の後ろに立っていた人の存在に気づく。

「あ、コイツは蓮!!俺のダチ☆」

「あ、旭蓮です。よろしく・・・」

   あさひ れん

どこかで見たことがある顔・・・

そうだ、思い出した。

私に翔の電話番号を教えてくれたいい人・・・。









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