すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~
「俺と過去に付き合っていた女性が同じ職場にいるだけじゃなく、今も親しくしてるんじゃないかって思ってたんだよな」
「ごめんなさい、私……」
「違う、美咲を責めてるわけじゃない。悪いのは根も葉もない嘘を美咲に聞かせた北見だし、それに気付いてやれなかった俺だ」
怒りを抑えきれないといった様子で、大翔がぐっとこぶしを握る。
「……北見さんは、別れてからもずっと大翔さんを好きだったんですよね」
「さぁ。元々三ヶ月くらいの浅い付き合いだったし、それも彼女の浮気で終わった関係だ」
「えっ?」
「言い訳のように聞こえるかもしれないけど、美咲に対する感情とはまるで違った。俺はずっと恋愛に対してドライだったし、彼女もそれを不満に思ったから他の男に乗り換えたんだろう」
大翔は美咲の手をぎゅっと握ると、「アメリカでの訓練中に、よりを戻したいと言われた」と淡々と告げた。
偉大なパイロットの父と比べられる重圧に潰れそうだと何度も相談を受けており、大翔に支えてほしいと泣いて縋られたらしい。
「当然断った。そんな重圧にひとりで打ち勝てないのならパイロットになるべきではないし、俺の恋人は美咲しか考えられなかったから」
「それで、北見さんは?」