すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~

四つあるモニターのうち、右から二番目にあるモニターの左側に『warning』と警告メッセージが表示されていた。

コックピット内は一気に緊迫した空気となり、思わず身体が硬直する。しかし、こういう時のための訓練を何度も何度も繰り返し受けてきたのだ。

(大丈夫だ。落ち着け)

大翔は大きく息を吐き出した。

「まずは現状把握をしましょう」
「はい」

冷静で頼もしい長嶋の声に頷き、トラブルの原因を探る。落ち着いて計器を確認していくと、すぐに右エンジンに異常があるとわかった。

電気系統にトラブルが認められ、このままだと左のエンジンにも影響が出かねない。

(一刻も早く着陸しなくては)

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