図書館でうたた寝していたらいつの間にか王子と結婚することになりました
「婚約者というワードが一番ふさわしくない私を、婚約者にですか?」
「ふさわしくないかな?俺の婚約者にはふさわしいと思うよ?何より俺が君を気に入っているんだから」
そう言って、その人は急に真剣な顔になって私の手をそっと握り締める。さっきまでの朗らかな表情とは一転して、その瞳には熱がこもっているように思えて胸がぎゅっとなった。心臓が急に早く鳴り出して苦しい。何?この胸の高鳴りは一体何?
「期間限定でいいんだ。そうだな、一年。一年が長いなら半年でもいい。もしそれで君が婚約者を止めたいというなら止めてもらっても構わない。婚約者でいる間もその後も、もちろん今の仕事を続けられる。いい条件じゃないかな?」
「そ、れは……そうですけど、そもそも、私はあなたが誰なのかまだ知りません。両親にこの話をするにしても、相手のお名前を知らないのはちょっと」
「ああ、それなら心配ないよ。君の家には俺からちゃんと婚約の申し込みを送るから。だから、今はとにかくこの提案に乗ってくれないかな。俺を助けると思って」
きゅっと私の手を握るその人の手が強まる。キラキラとした瞳がこちらを真っすぐに射抜いて離さない。そんな懇願するような顔で言われてしまっては、嫌とはとても言いにくいんですけど……!
「……わかりました。提案をお受けします」
「よかった!ありがとう!嬉しいよ、本当に嬉しい」
その人はとびきりの笑顔で掴んでいた私の手をブンブンと嬉しそうに振っている。ここまで喜んでもらえるなら、まあいいか、期間限定だし。
……などと軽い気持ちでいた自分は、とてつもなく甘かったと後々思い知らされる。
「ふさわしくないかな?俺の婚約者にはふさわしいと思うよ?何より俺が君を気に入っているんだから」
そう言って、その人は急に真剣な顔になって私の手をそっと握り締める。さっきまでの朗らかな表情とは一転して、その瞳には熱がこもっているように思えて胸がぎゅっとなった。心臓が急に早く鳴り出して苦しい。何?この胸の高鳴りは一体何?
「期間限定でいいんだ。そうだな、一年。一年が長いなら半年でもいい。もしそれで君が婚約者を止めたいというなら止めてもらっても構わない。婚約者でいる間もその後も、もちろん今の仕事を続けられる。いい条件じゃないかな?」
「そ、れは……そうですけど、そもそも、私はあなたが誰なのかまだ知りません。両親にこの話をするにしても、相手のお名前を知らないのはちょっと」
「ああ、それなら心配ないよ。君の家には俺からちゃんと婚約の申し込みを送るから。だから、今はとにかくこの提案に乗ってくれないかな。俺を助けると思って」
きゅっと私の手を握るその人の手が強まる。キラキラとした瞳がこちらを真っすぐに射抜いて離さない。そんな懇願するような顔で言われてしまっては、嫌とはとても言いにくいんですけど……!
「……わかりました。提案をお受けします」
「よかった!ありがとう!嬉しいよ、本当に嬉しい」
その人はとびきりの笑顔で掴んでいた私の手をブンブンと嬉しそうに振っている。ここまで喜んでもらえるなら、まあいいか、期間限定だし。
……などと軽い気持ちでいた自分は、とてつもなく甘かったと後々思い知らされる。