マリアンヌに私のすべてをあげる
私の友達マリアンヌ
今のレオナルドは私、須藤明日翔なんだと告白した日から数日が過ぎ、マリアンヌを屋敷へ招いて改めてゆっくり話す時間をつくった。
これまで騙すような形になってしまっていたから、ちゃんと自分のことをマリアンヌに話しておきたい。
とっ、思い部屋で向き合って座り茶をしているが……。
ーー自分のことといえばだ……
考えてみりゃあ、私はガサツでクソビッチな女だったんですよーーアッハハハ〜〜と自己紹介する訳にもいかんし……
どうしようもない素行の悪さだった自分の何を話せばいいんだ?
ーーそうだッ!!
逆に私に聞きたいことがあるか聞いてみよう!!
『マリアンヌは私に何か聞きたいことない?』
『で、では…… アスカさんのご年齢をお伺いしてもよろしいでしょうか?』
『私は二十歳でマリアンヌより三つ年上なんだ』
『そうでしたかぁ。こ、こんなことをお伺いするとお辛いかも知れませんが…… ミラタリヤに来る前はどのような所で暮らされていたのですか? それにご家族の方は?』
やっぱ聞きたいこといっぱいあるよな。
そりゃそうだわ。
こんな得体の知れん奴のこと気になるだろうよ。
『ここに来る前は日本っていう国に住んでたんだ。こことは全然違う文化だし、見える景色もミラタリヤとは全然違う。今はスタンフィールド公爵家のレオナルドとして高い身分でいてるけど、本当の私は一般家庭の育ちでただの庶民なんだ』
『ニホン…… そのような国があるのですね。目覚めたら突然違う場所にいて、違う人物になって、しかもアスカさんは女性ですのに見ず知らずの男性になっているだなんて…… とても心細くてお辛かったでしょうね』
そうとーー驚きはしたが……実際のとこはここでなんとか生きていくために早く順応させるのに必死で、憂いてる暇なかったもんな。
『うーーん。あんまり考えないようにはしてたけど。考えてもどうにもならなさそうだし。楽観的だって思われるかも知れないけど……』
だけどそうなんだよな……この先自分が日本に帰れるのかも、また家族に会えるのかも、このレオナルドの姿からもとの自分に戻れるのかも分からないんだよな……
『ですが…… 暮らされていたニホンへ、ご家族のもとへ帰りたいですよね。ご家族は何人いらっしゃるのですか?』
『あーー家族は父ちゃん、母ちゃん、バカ兄貴三人ッ!!』
うわっ、、ヤベーーめっちゃ素で喋っちまった……
マリアンヌの顔がハテナになってんじゃん!!
『えーーっと、家族は父と母と兄が三人……』
『お兄様が三人も…… それは賑やかで楽しそうですねぇ。私は一人娘ですから、お兄様が三人もいらっしゃるだなんて羨ましいです!!』
マリアンヌが羨ましがって想像するようなお兄様とはうちのバカ兄貴三人は完全にかけ離れまくってると思うが……
部屋にエロ本、エロDVD散乱させまくって、パンイチで家ん中ウロチョロしまくってるようなお兄様なんですけど……
私はパンイチくらい全く動じやしないが、マリアンヌだったらトラウマなって部屋から出てこれんかも。
それにあのバカ兄貴達は、パンイチどころか首にタオル掛けてモノ隠さんと、スッポンポンで風呂から出てきやがったこともあったからなーー。
ーーこの私ですらさすがに引くわ……
何が悲しくてアンタ等のモノなんて見んとダメなんだって話だ!!
母ちゃんと私は女扱いされてねぇし!!
あの姿見たらマリアンヌだったら間違いなくショック死すんなっ。
こんなド下品なお兄様、マリアンヌは願い下げだろうよ。
まぁ私も人のことは言えねぇけど……。
『マリアンヌはお兄さんが欲しかったの?』
『お兄様でなくても、お姉様でもよいのですが……弟や妹でも。一人は寂しいですから。もう望んでも無理ですけど……』
『そっか……じゃあ私の妹になってよ!! いや私が妹か? マリアンヌのほうがしっかりしてるし。いや今は男だから弟か?』
こんな得体の知れない奴も願い下げかもな……
『ウッフフフ。きっと楽しいでしょうね。私達、とっても仲良しな姉妹にも、お友達にもなれそうですねぇ』
おっ!?
受け入れてくれた!!嬉しいじゃんか。それにこんなに気兼ねなく誰かと話したのもチョーー久しぶりだよなぁ。
マリアンヌはこの世界にきて初めての私の友達だ!!