マリアンヌに私のすべてをあげる

アレの日ですか?マリアンヌ


ちょっと外は肌寒いなーーぁ。
マリアンヌが花と緑の楽園で過ごすの好きだから外にいるけど……
庭のイスにジッと座って、花の様子を見て回るマリアンヌ眺めてるだけで、動いてねぇからなのか寒気するわっ。

『アスカさ〜〜ん、前に蕾だったマリーゴールドのお花が咲いていますよ〜〜ぉ!! こちらに来て一緒に見ませんかーー?』

興奮気味に声を上げ私に大きく手を振るマリアンヌ。

おっ、お呼びがかかったから行くとするか。
にしてもすげーー嬉しそうな笑顔で手ぇ振ってんじゃん。
天使の笑顔か……クリストファーにはこの笑顔がそう見えたんだ……。

マリアンヌのもとに駆け寄り、一緒に咲きはじめたばっかのマリーゴールドの花を見る。

『とっても可愛いですねぇ』

『……う、うん』

今まで花なんか全く興味なかったのになーー。
マリアンヌが好きだから自分も好きになってきたかも。今の自分ウケるし。
ーー何やってんだろう……
私は花より団子で、花より男だったよな……
どうなってんだ!?
ほんとっ花なんか見て和んで。
こんなことババアになってもしねぇと思ってたわっ。

『そういえばアスカさん、先日プロヴァンス邸に行かれたのですよね? クリストファー様と何をお話しされたのですか?』

な、何をって……マリアンヌを巡ってヒートアップしてたとは言えないしな……
適当に誤魔化しとくかっ。

『今度絵を描いて欲しいって言われて……』

『絵を……クリストファー様の絵をお描きになるのですか?』

『う、うん……』

『…… そ、そうですか…… 絵を描いて差し上げるほどクリストファー様と仲良くなられたのですね……』

全然仲良くねーーよッ!!ライバルだし!!

『ま、まぁそうかも……』

『……クリストファー様は良い方ですものね……』

なんだよマリアンヌ……クリストファーのこといい奴なんて言っちゃって……

『確かにカッコいいし、紳士的だし、いい人だよ』

そういや言いんでしょっ。

『…………。』

あれっ?なんで黙ってんだろう……

『マリアンヌ?』

『それは良かったですねっ』

な、なんか素っ気ないような……

『…… よ、良かったよ。マリアンヌはクリストファーと昔から仲良かったんだよね?』

『はい。仲良くしていただいてました』

『そっか…… クリストファーって優しいからな』

『…………。』

なんだっ!?また黙ってる……

『マ、マリアンヌ?』

『そうですねっ』

なんでだか素っ気ないように感じるよな……
どうしたんだろう?
今日マリアンヌ機嫌悪かったのか……?
ハッ、、もしかして……生理か?
それでイラついてる……

ーーそっか、なるほどっ!!

私も生理ん時はバカ騒ぎするバカ兄貴達見て死ぬほどイラッとさせられてたもんな〜〜ぁ。
男の体になって唯一良かったことは、月のモンから解放されたことだ!!
毎月楽ちんで快適に過ごせてることにだけはマジで感謝するわっ。

そうだ!!生理ん時は体冷やしちゃダメだよな。腹も腰も辛いだろうし。
ミラタリヤにも腹巻きか毛糸のパンツでもありゃいいんだけどなーー。
母ちゃんは季節関係なしに腹巻きと毛糸のパンツ愛用してたからなぁ。
冷えは女の大敵だって言って……。
色まで赤がいいんだとか変にこだわっててさ〜〜あの姿は爆笑もんだったよな〜〜。

よしっ!!帰ろ。こんな寒いとこで花見してる場合じゃねぇわ。

『マリアンヌ、屋敷に戻ろう。部屋で温かい飲み物でも飲もうよ』

『えっ、あ、はい……』


私はマリアンヌの手を取り早足で屋敷へ戻った。

あったかい場所で、あっかい飲みもんでも飲んだら少しはイライラもマシになるだろう。
生理ん時は冷えと無理は禁物だ!!
マリアンヌにはいつも元気で笑ってて欲しいもんなぁ。





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