【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!
寝ている間ではあるが、海に沈むことなくここに辿り着けたのは奇跡だろう。
そしてもう一度、お礼を口にしようとした時だった。


『どけ……臭うぞ?』

「…………っ!」


その言葉を聞いてメイジーは我に返り、男性から離れて距離を取るために後ろに下がろうとした時だった。


「わっ……!」


メイジーはバランスを崩してフラリと後ろに倒れそうになってしまう。
自分が岩場にいて、崖のようになっていることを思い出したのだ。

(うそっ……落ちる!?)

反射的に何かを掴もうと腕を伸ばした時だった。


『……危ない!』

「……っ!」


男性はメイジーの腕を掴んで引き上げてくれたようだ。
彼に寄りかかるようにして体を預けていた。
自分の心臓の鼓動がここまで聞こえてくる。
緊張から息を止めていたメイジーは小さく息を吐き出した。

(た、助かったわ……!)

メイジーは男性にお礼を言おうと顔を上げる。
するとすぐ近くに彼の顔があった。
海のような瞳に飲み込まれてしまいそうだ。
男性を見つめていたメイジーはハッとする。
先ほど言われた『臭う』という台詞を思い出したからだ。
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