【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!

(この国にこんな予算はないはずだけど……)

内情を知っているからこそ、この景色に違和感を覚えた。

主役のジャシンスや王配のディディエも凄まじい装飾品の数に度肝を抜かれる。
真っ白なウェディングドレスなど霞んでしまいそうだ。
体全体を覆う宝石の数々は豪華を通り過ぎて下品に見える。

ディディエは恥ずかしさに耐えているのか顔を赤くしているが、ジャシンスは自慢げな表情だ。
招待客たちからも戸惑いの声が漏れている。

お祝いの挨拶をとジャシンスの前へと進んでいく招待客たち。
しかし主役を差し置いて注目を奪っている場所がある。
それがガブリエーレとメイジーだった。

二人の周りにはありえないほどの人だかりができていた。
メイジーは幼い頃に少ししかパーティーに出たことがないため緊張していた。

(こんなに目立って大丈夫なのかしら……)

メイジーは何を問われても笑顔を張り付けたまま何も答えない。
何故なら会場に入る前、ガブリエーレに何も言うなと言われていたからだ。
彼も一切、口を開かないままだ。

(ガブリエーレのことだから何か考えがあるんでしょうね)

いつも声を発していないのだが、ガブリエーレは何もしていなければ彫刻のようだ。
周囲からの質問責めは続いているが、彼はじっと何かのタイミングを待っているようだ。
会場の注目はすべてこちらにあった。

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