【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!
すると遠くから怒りを孕んだ声が聞こえてくる。


「ちょっと主役はこのわたくしなのよ……!」

「待てっ、ジャシンスッ」

「どうしてわたくしの元に挨拶に来ないのよ。おかしいでしょう!?」

「おい! ジャシンス、いい加減にしろよっ」


ディディエとの言い争う声はこちらにまで筒抜けだ。
シールカイズ王国な人たちは諦めた様子で顔を背けてしまっている。
メイジーはこの状態を見ただけで、この国が今どんな状況なのかわかるような気がした。

(こんな短期間でここまで崩れるなんて……もうめちゃくちゃじゃない)

ジャシンスとディディエの後ろには、男性を引き連れている元王妃の姿もある。
雰囲気は随分と妖艶になり、娼婦のように様変わりしていた。
露出度の高いドレスと宝石。ジャシンスと二人合わせると欲の化身に思えた。

メイジーはこんな二人の姿を久しぶりに見て思うことがあった。

(わたし、こんな奴らをずっと恐れて隠れていたの?)

こうして改めて対峙すると、なんだか馬鹿馬鹿しいとすら思えてくる。
島で暮らして、帝国の暮らしを経験。
更に前世の記憶を取り戻したことにより価値観が大きく変わったのかもしれない。
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