後悔
何も言わないでただ歩くケイスケ。
その後ろを私も何も言わずついていく。
何をきっかけに話したらいいのかわからない。
少し歩くと少し街から外れかけた静かな道に出た。
「座ろうか。」
通りかかったベンチの前で私が座るのを待っている。
黙って頷き端っこの方に座ると、ケイスケも少し間を空けて座った。
私とケイスケの間に出来た距離は、今の私たちをそのまま反映させてるようだ。
「久しぶり。」
「うん…久しぶり。」
「元気にしてた?」
「うん…。」
久しぶりにあった友達ならもっとスムーズにいく挨拶がわりのこんな言葉も、私達には一言一言が重い。
また沈黙になってしまった。
あの頃のことを謝りたい。
でも、私から切り出した方がいいのかもしれないけど、勇気が出ない。
自分からあの頃の話に触れる勇気が。
足元のタイルの目地をただただ眺めた。
どこを見ればいいのかわからないから。
1分が何分にも感じる程の気まずい空気。
しばらくするとケイスケが話し出した。
「あのさ、アカリ。…ごめんな。」
「な、なんでケイスケが謝るの?
私が悪いのに…!本当にごめんなさい…。」
いきなり謝るケイスケに私は慌てた。
謝るのは私の方で、何度謝っても足りない。
勢いよく頭を下げた。
涙が出そうなのをぎゅっと目を閉じて堪える。
「ちょっ!もういいんだって!オレ、怒ってないし!
謝って欲しくて連れてきたんじゃないから!
ほら、頭あげて!」
頭を下げた私に慌てるケイスケ。
困ってワタワタしてる。
私は頭を上げて、うつむいた。
ケイスケが深呼吸して話し出す。
「オレ、考えたんだよ。
なんでアカリは居なくなったのか分からなくて、ずっと考えてたんだ。
アカリはオレの事を絶対好きだって自信があったから、全然分からなかったんだ。バカだろ?」
苦笑いをするケイスケ。
「振り返ってみれば、…いつもアカリのことは二の次、ワガママばっか言って、本当酷い彼氏ぶりだったよな。ごめん。」
なんて言えばいいのか分からなくて、私は黙って聞いていた。
「オレさ。
本当に恥ずかしいんだけどモテるって勘違いしてたから、アカリに危機感持たせればアカリはオレから離れていかないって思ったんだ。
だから、わざと女の子に告白されたのも報告したり、何でもないことで怒っては気を引いたりした。」
ケンジさん。
正解です。
「アカリは、オレの思うようにいつも追いかけてきてくれたから、調子に乗ってたんだ。
ガキだよね。」
深いため息をついて、消えそうな声で「ごめん」とまた言った。
そっか。
本当に私はケイスケの手のひらで上手く転がされてたんだ。
あまりにもケンジさんの言う通りで納得した。
なんか、私…オモチャみたい。
虚しくて堪えた涙が溢れる。
「でもね、アカリ。
信じられないかもしれないけど、ちゃんと好きだったんだよ。本当に凄く。
アカリの口から、いくら友達でも他の男の名前なんか聞きたくないくらい。
でも、アカリに別れるって言われて気づいたんだ。
そんなのどうでもいい。アカリがいなくなる方がずっと嫌だって。」
もう、なんの涙だかわかんない。
止まんない。
その後ろを私も何も言わずついていく。
何をきっかけに話したらいいのかわからない。
少し歩くと少し街から外れかけた静かな道に出た。
「座ろうか。」
通りかかったベンチの前で私が座るのを待っている。
黙って頷き端っこの方に座ると、ケイスケも少し間を空けて座った。
私とケイスケの間に出来た距離は、今の私たちをそのまま反映させてるようだ。
「久しぶり。」
「うん…久しぶり。」
「元気にしてた?」
「うん…。」
久しぶりにあった友達ならもっとスムーズにいく挨拶がわりのこんな言葉も、私達には一言一言が重い。
また沈黙になってしまった。
あの頃のことを謝りたい。
でも、私から切り出した方がいいのかもしれないけど、勇気が出ない。
自分からあの頃の話に触れる勇気が。
足元のタイルの目地をただただ眺めた。
どこを見ればいいのかわからないから。
1分が何分にも感じる程の気まずい空気。
しばらくするとケイスケが話し出した。
「あのさ、アカリ。…ごめんな。」
「な、なんでケイスケが謝るの?
私が悪いのに…!本当にごめんなさい…。」
いきなり謝るケイスケに私は慌てた。
謝るのは私の方で、何度謝っても足りない。
勢いよく頭を下げた。
涙が出そうなのをぎゅっと目を閉じて堪える。
「ちょっ!もういいんだって!オレ、怒ってないし!
謝って欲しくて連れてきたんじゃないから!
ほら、頭あげて!」
頭を下げた私に慌てるケイスケ。
困ってワタワタしてる。
私は頭を上げて、うつむいた。
ケイスケが深呼吸して話し出す。
「オレ、考えたんだよ。
なんでアカリは居なくなったのか分からなくて、ずっと考えてたんだ。
アカリはオレの事を絶対好きだって自信があったから、全然分からなかったんだ。バカだろ?」
苦笑いをするケイスケ。
「振り返ってみれば、…いつもアカリのことは二の次、ワガママばっか言って、本当酷い彼氏ぶりだったよな。ごめん。」
なんて言えばいいのか分からなくて、私は黙って聞いていた。
「オレさ。
本当に恥ずかしいんだけどモテるって勘違いしてたから、アカリに危機感持たせればアカリはオレから離れていかないって思ったんだ。
だから、わざと女の子に告白されたのも報告したり、何でもないことで怒っては気を引いたりした。」
ケンジさん。
正解です。
「アカリは、オレの思うようにいつも追いかけてきてくれたから、調子に乗ってたんだ。
ガキだよね。」
深いため息をついて、消えそうな声で「ごめん」とまた言った。
そっか。
本当に私はケイスケの手のひらで上手く転がされてたんだ。
あまりにもケンジさんの言う通りで納得した。
なんか、私…オモチャみたい。
虚しくて堪えた涙が溢れる。
「でもね、アカリ。
信じられないかもしれないけど、ちゃんと好きだったんだよ。本当に凄く。
アカリの口から、いくら友達でも他の男の名前なんか聞きたくないくらい。
でも、アカリに別れるって言われて気づいたんだ。
そんなのどうでもいい。アカリがいなくなる方がずっと嫌だって。」
もう、なんの涙だかわかんない。
止まんない。