冷酷元カレ救急医は契約婚という名の激愛で囲い込む
その夜、香苗は初めて拓也の寝室で眠った。
正しくはこのマンションで暮らすことになった初日、彼の寝室で眠ったのだけど、その時は拓也はリビングのソファーで眠り、香苗ひとりで彼のベッドを使わせてもらったのだった。
だけど今日、香苗の隣には拓也がいる。
「香苗、触れてもいい?」
別々にお風呂に入り、一緒のベッドに入る拓也が訊く。
互いに横向きに向き合い彼の胸に額を押し付けていた香苗は、拓也のその律儀さを愛おしく思いながら頷く。
「はい」
香苗が小さな声で返事をして彼を見た。
視線が重なると、拓也は香苗の頬に掛かっていた髪を払いそのまま額にキスをする。
「香苗、愛してる」
甘く掠れた拓也の声が耳元で聞こえて、それだけで肌がゾクリと震えた。
拓也に愛の言葉を囁かれるのは、これが初めてではない。
それでも学生時代も含めて拓也にこんなふうに、男性としての欲望を感じさせる声で囁かれたのは初めてで、それだけで香苗の鼓動が一気に高まっていく。
「拓也さん、私もあ……」
香苗も彼を見上げて思いを伝えようとしたのだけど、最後まで言葉を言い切るより先にキスで口を塞がれてしまった。
「……んっ……ぁっ」
唇を重ねるなり舌を挿入され、香苗は呼吸を乱す。
拓也は香苗の肩を押し、彼女の体をあお向かせそのまま覆い被さってきた。
一度唇を離した拓也は、顔を上げて香苗の顔を覗き込む。
「香苗、君の全てを俺のものにしていいか?」
そう問い掛けてくる拓也の眼差しは、男性としての情熱を宿している。
「私の全ては、ずっと前から拓也さんのものです」
そう答えて、香苗は彼の首筋に自分の腕を絡めた。
香苗のその動きに拓也の体が引き寄せられ、再び唇を重ねる。
「あぁ……はぁ……」
重ねた唇の隙間から熱い息が漏れる。
お互い不慣れなはずなのに、拓也のキスは巧みで、あっさりと香苗の呼吸を乱していく。
濃厚な大人の口付けに香苗が肩をくねらせると、拓也の大きな手が肩を撫でた。
「香苗、初めて見る顔をしている」
こちらを覗き込んで拓也が言う。
でもそれは拓也も同じだ。
普段の拓也は端整な顔立ちも手伝ってクールなイメージが強いけど、今日の彼は違う。
ひとりの男性として、女性である香苗を求めてくれている。
「……夢みたい」
思わず漏れた香苗の言葉に、拓也が「俺も」と、呟く。そして再び、香苗にキスをする。
彼が自分を求めるのと同じぐらい、自分も彼を求めている。
その想いを伝えたくて、香苗は懸命に彼の口付けに応えた。
拓也は香苗の全てを味わうように、唇だけでなく、耳たぶや額、首筋なんかにキスをしていく。
「緊張しないで、俺に全てを任せて」
触れさせる唇で香苗の緊張を感じ取ったのか、耳元で拓也が囁く。
するとまるで魔法でもかけられたかのように、香苗の体から緊張がぬけていくから不思議だ。
拓也にとってもこれは初めての行為のはずなのに、巧みなリードで香苗の心を蕩けさせ、香苗が濃厚な口付けに溺れている隙にパジャマを脱がしていく。
香苗を一糸まとわぬ姿にした拓也は、彼女の腰に跨がった姿勢のまま自身が来ていたTシャツを脱いだ。
仕事柄、拓也が鍛えられた体つきをしているのは理解していた。
それでも実際に筋肉で引き締まった彼の体を目の当たりにすると、洗練された芸術品を眺めているような気持ちにさせられる。
綺麗……と、香苗は口にせず心の中で零す。
そんな彼に自分の体を見下ろされて、香苗は羞恥心を覚えた。
「恥ずかしいから見ないで」
香苗は胸の前で腕をクロスさせて、自分の胸を隠した。
「香苗、隠さないで。君の全てを俺のものにするっていったはずだ」
拓也はそう言って、香苗の両手首を左手だけで持ち、頭の上で押さえつける。
そうするともう、彼の視線から逃れる術はない。
「拓也……さん、私、すごく緊張しています」
「俺も。でもそれ以上に君を求める気持ちを止められない」
拓也はそう言って、香苗の胸元にキスをする。
柔らかな肌で感じる唇は、不思議なほど冷たい。でもそう感じたのは一瞬のことで、すぐに香苗の体温に馴染んでいく。
拓也はその後も、時間をかけて香苗の隅々まで愛撫してくれた。
大好きな人に優しく肌を撫でられ、愛の言葉を囁かれると、香苗の体の緊張はほぐれていき、彼への愛おしさだけが胸を支配していく。
そうやって十分香苗の心を体を解した後に、拓也は香苗の中へと侵入してきた。
初めての行為に痛みがなかったといえば嘘になるけど、香苗にとってそれは、お互いの境界線をなくしてひとつになっていく行為に思えた。
だから、彼から与えられるその痛みさえ愛おしいと、香苗が彼から与えられる刺激のままに喘いだ。
正しくはこのマンションで暮らすことになった初日、彼の寝室で眠ったのだけど、その時は拓也はリビングのソファーで眠り、香苗ひとりで彼のベッドを使わせてもらったのだった。
だけど今日、香苗の隣には拓也がいる。
「香苗、触れてもいい?」
別々にお風呂に入り、一緒のベッドに入る拓也が訊く。
互いに横向きに向き合い彼の胸に額を押し付けていた香苗は、拓也のその律儀さを愛おしく思いながら頷く。
「はい」
香苗が小さな声で返事をして彼を見た。
視線が重なると、拓也は香苗の頬に掛かっていた髪を払いそのまま額にキスをする。
「香苗、愛してる」
甘く掠れた拓也の声が耳元で聞こえて、それだけで肌がゾクリと震えた。
拓也に愛の言葉を囁かれるのは、これが初めてではない。
それでも学生時代も含めて拓也にこんなふうに、男性としての欲望を感じさせる声で囁かれたのは初めてで、それだけで香苗の鼓動が一気に高まっていく。
「拓也さん、私もあ……」
香苗も彼を見上げて思いを伝えようとしたのだけど、最後まで言葉を言い切るより先にキスで口を塞がれてしまった。
「……んっ……ぁっ」
唇を重ねるなり舌を挿入され、香苗は呼吸を乱す。
拓也は香苗の肩を押し、彼女の体をあお向かせそのまま覆い被さってきた。
一度唇を離した拓也は、顔を上げて香苗の顔を覗き込む。
「香苗、君の全てを俺のものにしていいか?」
そう問い掛けてくる拓也の眼差しは、男性としての情熱を宿している。
「私の全ては、ずっと前から拓也さんのものです」
そう答えて、香苗は彼の首筋に自分の腕を絡めた。
香苗のその動きに拓也の体が引き寄せられ、再び唇を重ねる。
「あぁ……はぁ……」
重ねた唇の隙間から熱い息が漏れる。
お互い不慣れなはずなのに、拓也のキスは巧みで、あっさりと香苗の呼吸を乱していく。
濃厚な大人の口付けに香苗が肩をくねらせると、拓也の大きな手が肩を撫でた。
「香苗、初めて見る顔をしている」
こちらを覗き込んで拓也が言う。
でもそれは拓也も同じだ。
普段の拓也は端整な顔立ちも手伝ってクールなイメージが強いけど、今日の彼は違う。
ひとりの男性として、女性である香苗を求めてくれている。
「……夢みたい」
思わず漏れた香苗の言葉に、拓也が「俺も」と、呟く。そして再び、香苗にキスをする。
彼が自分を求めるのと同じぐらい、自分も彼を求めている。
その想いを伝えたくて、香苗は懸命に彼の口付けに応えた。
拓也は香苗の全てを味わうように、唇だけでなく、耳たぶや額、首筋なんかにキスをしていく。
「緊張しないで、俺に全てを任せて」
触れさせる唇で香苗の緊張を感じ取ったのか、耳元で拓也が囁く。
するとまるで魔法でもかけられたかのように、香苗の体から緊張がぬけていくから不思議だ。
拓也にとってもこれは初めての行為のはずなのに、巧みなリードで香苗の心を蕩けさせ、香苗が濃厚な口付けに溺れている隙にパジャマを脱がしていく。
香苗を一糸まとわぬ姿にした拓也は、彼女の腰に跨がった姿勢のまま自身が来ていたTシャツを脱いだ。
仕事柄、拓也が鍛えられた体つきをしているのは理解していた。
それでも実際に筋肉で引き締まった彼の体を目の当たりにすると、洗練された芸術品を眺めているような気持ちにさせられる。
綺麗……と、香苗は口にせず心の中で零す。
そんな彼に自分の体を見下ろされて、香苗は羞恥心を覚えた。
「恥ずかしいから見ないで」
香苗は胸の前で腕をクロスさせて、自分の胸を隠した。
「香苗、隠さないで。君の全てを俺のものにするっていったはずだ」
拓也はそう言って、香苗の両手首を左手だけで持ち、頭の上で押さえつける。
そうするともう、彼の視線から逃れる術はない。
「拓也……さん、私、すごく緊張しています」
「俺も。でもそれ以上に君を求める気持ちを止められない」
拓也はそう言って、香苗の胸元にキスをする。
柔らかな肌で感じる唇は、不思議なほど冷たい。でもそう感じたのは一瞬のことで、すぐに香苗の体温に馴染んでいく。
拓也はその後も、時間をかけて香苗の隅々まで愛撫してくれた。
大好きな人に優しく肌を撫でられ、愛の言葉を囁かれると、香苗の体の緊張はほぐれていき、彼への愛おしさだけが胸を支配していく。
そうやって十分香苗の心を体を解した後に、拓也は香苗の中へと侵入してきた。
初めての行為に痛みがなかったといえば嘘になるけど、香苗にとってそれは、お互いの境界線をなくしてひとつになっていく行為に思えた。
だから、彼から与えられるその痛みさえ愛おしいと、香苗が彼から与えられる刺激のままに喘いだ。