冷酷元カレ救急医は契約婚という名の激愛で囲い込む
「大学時代はなにが一番大変でしたか?」
肌を重ねて、互いの愛情を確かめ合った後、そのまま眠ってしまうのが惜しくて香苗は彼の胸に甘えながら話し掛けた。
初めての行為に下腹部が鈍く痛むけど、拓也と愛し合った証拠なのだと思うとそれも心地良い。
香苗がまどろみと鈍痛の両方を味わいながら思い付いたままの質問を口にすると、彼女の下腹部に手を添えていた拓也が即答する。
「香苗に会えなかったこと」
彼の答えに香苗はクスクスと笑う。
「私も、それは同じです」
「でもそう思っていたからこそ、俺は医師になれたんだと思う」
香苗の隣で横向きに体を休める拓也は、香苗の腹部を撫でながら言う。
「え?」
「香苗に会えない以上に辛いことなんてない。そう思っていたから、どんなことでも乗り越えることができた」
そう話す拓也は、香苗の頬にキスをして続ける。
「俺が今こうやって医師になれたのは、香苗のおかげだ。いつか一人前の医師になって君を迎えに行く、そう心に誓っていたから、勉強や研修医時代の過酷な日々を乗り越えることができた。それに、医療の道を邁進することでいつか香苗に再会出来ると思っていたから辛いなんて思うことはなかったよ」
「それは全て、拓也さんの実力です」
香苗はなにもしていない。
できることなら、彼の大変な時代を自分が支えたかった。
香苗がそのことを悔やんでいると、拓也が香苗に甘える。
「その分、これからの俺を支えて。もう二度と、香苗と離れるなんて考えられないから」
「それは、私の台詞です」
奇跡的な再会を果たし、彼の想いを知った今、離れるなんてことはできない。
それに一緒にいれば、拓也が救命救急医の仕事にどれだけやり甲斐を感じているかはわかる。
医師は過酷な仕事なのだ。
今まで支えられなかった分も、これからは医師として働く彼の生活をサポートさせてもらいたい。
香苗は寝返りをうって、横向きに拓也と向き合うと、彼の胸に額を寄せる。
「拓也さんの良い奥さんになれるように頑張ります」
照れながらそう言うと、拓也がその背中を撫でてくれた。
「そのためには、まずは香苗の家族に挨拶に行こう。だけどその前に、俺としてはまず新しいベッドを買いに行きたい」
「ベッド?」
前も、香苗が使うベッドをちゃんとしたものにしたらどうかと言われたことがある。
こうしてお互いの想いを通わせることができたけど、シフトのすれ違いも多いだろうから、普段はこれまでどおり寝室は分けようということだろう。
「私、今のままで大丈夫ですよ」
確かにこれからずっとこのマンションで彼と暮らしていくのであれば、ちゃんとしたベッドを準備した方がいい。
だけどそれは、家族への挨拶より優先するようなことではないと思うのだけど……。
そう話すと、拓也はクスクス笑って、軽く首を動かして自分たちが身を預けているベッドを確認してから香苗の耳元で囁く。
「このベッドじゃ危なっかしくて、あまり激しく愛し合えないだろ」
これまで拓也が一人で使っていたベッドはセミダブルで、こうやってふたりで身を寄せ合って眠る分には狭いと思わないが、これから毎日一緒のベッドで眠るのならもっと広い方がいいということだ。
それに彼の言うとおり、夫婦として濃厚に愛し合うには窮屈なのかもしれない。
とはいえ、まだまだそういったことが初心者な香苗としては反応に困る。
「えっと……はい」
真っ赤になっている顔を見られないよう、拓也の胸に顔をくっつけて香苗は恥ずかしさを堪えて返事する。
そんな香苗の初心な反応を拓也がクスクス笑う。
その柔らかな息遣いと、彼の鼓動の心地よさに甘えながら、香苗は深い眠りに落ちていった。
肌を重ねて、互いの愛情を確かめ合った後、そのまま眠ってしまうのが惜しくて香苗は彼の胸に甘えながら話し掛けた。
初めての行為に下腹部が鈍く痛むけど、拓也と愛し合った証拠なのだと思うとそれも心地良い。
香苗がまどろみと鈍痛の両方を味わいながら思い付いたままの質問を口にすると、彼女の下腹部に手を添えていた拓也が即答する。
「香苗に会えなかったこと」
彼の答えに香苗はクスクスと笑う。
「私も、それは同じです」
「でもそう思っていたからこそ、俺は医師になれたんだと思う」
香苗の隣で横向きに体を休める拓也は、香苗の腹部を撫でながら言う。
「え?」
「香苗に会えない以上に辛いことなんてない。そう思っていたから、どんなことでも乗り越えることができた」
そう話す拓也は、香苗の頬にキスをして続ける。
「俺が今こうやって医師になれたのは、香苗のおかげだ。いつか一人前の医師になって君を迎えに行く、そう心に誓っていたから、勉強や研修医時代の過酷な日々を乗り越えることができた。それに、医療の道を邁進することでいつか香苗に再会出来ると思っていたから辛いなんて思うことはなかったよ」
「それは全て、拓也さんの実力です」
香苗はなにもしていない。
できることなら、彼の大変な時代を自分が支えたかった。
香苗がそのことを悔やんでいると、拓也が香苗に甘える。
「その分、これからの俺を支えて。もう二度と、香苗と離れるなんて考えられないから」
「それは、私の台詞です」
奇跡的な再会を果たし、彼の想いを知った今、離れるなんてことはできない。
それに一緒にいれば、拓也が救命救急医の仕事にどれだけやり甲斐を感じているかはわかる。
医師は過酷な仕事なのだ。
今まで支えられなかった分も、これからは医師として働く彼の生活をサポートさせてもらいたい。
香苗は寝返りをうって、横向きに拓也と向き合うと、彼の胸に額を寄せる。
「拓也さんの良い奥さんになれるように頑張ります」
照れながらそう言うと、拓也がその背中を撫でてくれた。
「そのためには、まずは香苗の家族に挨拶に行こう。だけどその前に、俺としてはまず新しいベッドを買いに行きたい」
「ベッド?」
前も、香苗が使うベッドをちゃんとしたものにしたらどうかと言われたことがある。
こうしてお互いの想いを通わせることができたけど、シフトのすれ違いも多いだろうから、普段はこれまでどおり寝室は分けようということだろう。
「私、今のままで大丈夫ですよ」
確かにこれからずっとこのマンションで彼と暮らしていくのであれば、ちゃんとしたベッドを準備した方がいい。
だけどそれは、家族への挨拶より優先するようなことではないと思うのだけど……。
そう話すと、拓也はクスクス笑って、軽く首を動かして自分たちが身を預けているベッドを確認してから香苗の耳元で囁く。
「このベッドじゃ危なっかしくて、あまり激しく愛し合えないだろ」
これまで拓也が一人で使っていたベッドはセミダブルで、こうやってふたりで身を寄せ合って眠る分には狭いと思わないが、これから毎日一緒のベッドで眠るのならもっと広い方がいいということだ。
それに彼の言うとおり、夫婦として濃厚に愛し合うには窮屈なのかもしれない。
とはいえ、まだまだそういったことが初心者な香苗としては反応に困る。
「えっと……はい」
真っ赤になっている顔を見られないよう、拓也の胸に顔をくっつけて香苗は恥ずかしさを堪えて返事する。
そんな香苗の初心な反応を拓也がクスクス笑う。
その柔らかな息遣いと、彼の鼓動の心地よさに甘えながら、香苗は深い眠りに落ちていった。