崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
「想いが溢れて自分が壊れそうなまま寝てるヒロインにこっそり口づける。そして自分がやってしまったことにショックを受けて、このことをもしヒロインが知ったら傷つくんだと思って涙が一滴零れる……めっちゃ良くない!?」
 ウキウキと今頭の中でイメージした部分も描き足した。

 まぁ、シーンを増やしたお陰で規定のページ数をオーバーし、不要な部分を削って規定内へ収めるのに想像以上に時間がかかってしまったのだが、それはご愛敬ということで。

「今回自信作なんだけど!」
 なんてその時の私は気分をあげながら、完成したネームを増本さんへと送信したのだった。
 ――その、時は。
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