崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
 ずっとアシスタントとして、しかも食事や掃除までサポートしてくれている浅見がそんなことをしたなんて思いたくない自分もいる。
 一緒にずっと描いてきたからこそ考えが似てしまったのかも。それが一晩ぐっすり眠って出した私の結論だ。

「私は今、至急新しいネタを考えないといけないからもうこの話は終わり!」
 そう断言すると、困ったように高尚が笑う。
「ま、みのりはそういうかとも思ったけどな」
 うーん、と小さく唸った高尚が、視線をノートパソコンへと移した。

「だが、どこからか情報が漏れたのは間違いないだろ。それはつまり、今からみのりが描く話も漏れるかもしれないってことだ」
「ッ」
 指摘された現実にドキリとする。
 そうならないかもしれない。偶然被ったのなら、連続で被るなんて奇跡は起きないだろう。でももしこれが本当に漏洩して、それを浅見が見たのなら……
(信じるって決めたのに)
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