崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
甘やかされている自覚があるだけに申し訳ないとも思いつつ、彼の側がいつの間にか私にとってとても心地よく安心できる場所になっている。彼のことを思い出すだけで胸の奥がほわりと温かくなるし、嬉しいことや楽しいことがあれば彼と共有したいなんて思うようにもなっていた。
始まりはあんなだったのに気付けばこんなに彼を好きになってしまっているだなんて、あの日の私に教えたら目を剥いて気絶してしまうかもしれない。
「だからこそ、もっと面白いものにしたい」
その為にはもう一歩、何かヒロインたちの感情が揺さぶられるような何かのエピソードが欲しかった。
「どんなエピソードがいいかなぁ、ハラハラするような? それとも、ドキドキするようなものかな」
ブツブツとそんなことを呟き、うーん、と唸りながらトイレを出る。そして応接室へと戻ろうとした時、ふと視界の端に数字の点滅が飛び込んで来て一瞬固まった。
――エレベーターが、動いている。
必ずこの七階まで来るとは限らないが、もし来てしまったら?
「えっ、え!?」
階数表示の数字がひとつずつこの七階に近付き、私は息を呑んだ。
始まりはあんなだったのに気付けばこんなに彼を好きになってしまっているだなんて、あの日の私に教えたら目を剥いて気絶してしまうかもしれない。
「だからこそ、もっと面白いものにしたい」
その為にはもう一歩、何かヒロインたちの感情が揺さぶられるような何かのエピソードが欲しかった。
「どんなエピソードがいいかなぁ、ハラハラするような? それとも、ドキドキするようなものかな」
ブツブツとそんなことを呟き、うーん、と唸りながらトイレを出る。そして応接室へと戻ろうとした時、ふと視界の端に数字の点滅が飛び込んで来て一瞬固まった。
――エレベーターが、動いている。
必ずこの七階まで来るとは限らないが、もし来てしまったら?
「えっ、え!?」
階数表示の数字がひとつずつこの七階に近付き、私は息を呑んだ。