崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
まずい。本格的にこの階に来てしまう。六階で降りてくれないかとも思ったが、無情にも階数表示がパッと七階を示し、チーンとエレベーターの到着を知らせた。
その、時だった。
「みのり」
「ッ!?」
グイッと手を引かれたと思ったら、視界が手のひらで塞がれる。そしてそのままバタンとどこかの扉が閉まった音がした。
「高な――」
「シッ、静かにしてて」
私の視界を塞いだまま鼓膜をくすぐるように、声量を下げたからか少し掠れた低い声で囁かれる。その声にコクコクと頷いて私は口を両手で押さえた。
「あれ、村地先生ですか?」
「おー。日生さん? お疲れ様」
高尚専用の事務室の明かりがついていることに気付いたのか、女性の声が聞こえドキリとした。トイレに籠城を選ばなくて正解だったと思いながら、必死に息を殺す。
「お疲れ様です! 先生は休日なのにどうされたんですか?」
日生さん、と呼ばれた女性の声が段々近付いてくるのを感じ、緊張が走る。
「ちょっと調べたいことがあって、それだけ確認しにきたんだよね」
「あはは。先生いつも仕事ばっかりですよね」
「日生さん、それ自分にもブーメランになってない?」
その、時だった。
「みのり」
「ッ!?」
グイッと手を引かれたと思ったら、視界が手のひらで塞がれる。そしてそのままバタンとどこかの扉が閉まった音がした。
「高な――」
「シッ、静かにしてて」
私の視界を塞いだまま鼓膜をくすぐるように、声量を下げたからか少し掠れた低い声で囁かれる。その声にコクコクと頷いて私は口を両手で押さえた。
「あれ、村地先生ですか?」
「おー。日生さん? お疲れ様」
高尚専用の事務室の明かりがついていることに気付いたのか、女性の声が聞こえドキリとした。トイレに籠城を選ばなくて正解だったと思いながら、必死に息を殺す。
「お疲れ様です! 先生は休日なのにどうされたんですか?」
日生さん、と呼ばれた女性の声が段々近付いてくるのを感じ、緊張が走る。
「ちょっと調べたいことがあって、それだけ確認しにきたんだよね」
「あはは。先生いつも仕事ばっかりですよね」
「日生さん、それ自分にもブーメランになってない?」