崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
「浅見、私は」
「あんたは黙ってなさいよ! 私は証拠って言ってんの。あ、じゃあIPアドレスでも見たら? みのりはパソコン詳しくないから知らないかもしれないけど、私がもしあんたのパソコンに不正アクセスしたなら、私の家のルーターから接続されてるんだしすぐわかるのよ」
浅見のその主張にハッとする。
(そうだ、確か高尚もそんなこと言ってた)
浅見のSNSで漫画が公開された時、同じようなことを言った彼が確認してくれたが、ログイン履歴は同じだったと言っていたことを思い出す。
私しかあのフォルダにはアクセスしていないということは、浅見がデータを盗んではいないという証明だ。
会議室内が静まり返る。何も反論できない私に対し、今度こそ勝ちを確信したのだろう。フン、と鼻を鳴らした浅見だったが、この静けさを破ったのも高尚だった。
「ここにネームを持って来ているということは、タブレット端末はお持ちですね? スマホと一緒に出してください。IPアドレスは同端末ではなくても同じルーターのWi-Fiから接続すれば同じになります。浅見さんが接続していないという証明にはなりません」
「あんたは黙ってなさいよ! 私は証拠って言ってんの。あ、じゃあIPアドレスでも見たら? みのりはパソコン詳しくないから知らないかもしれないけど、私がもしあんたのパソコンに不正アクセスしたなら、私の家のルーターから接続されてるんだしすぐわかるのよ」
浅見のその主張にハッとする。
(そうだ、確か高尚もそんなこと言ってた)
浅見のSNSで漫画が公開された時、同じようなことを言った彼が確認してくれたが、ログイン履歴は同じだったと言っていたことを思い出す。
私しかあのフォルダにはアクセスしていないということは、浅見がデータを盗んではいないという証明だ。
会議室内が静まり返る。何も反論できない私に対し、今度こそ勝ちを確信したのだろう。フン、と鼻を鳴らした浅見だったが、この静けさを破ったのも高尚だった。
「ここにネームを持って来ているということは、タブレット端末はお持ちですね? スマホと一緒に出してください。IPアドレスは同端末ではなくても同じルーターのWi-Fiから接続すれば同じになります。浅見さんが接続していないという証明にはなりません」