崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
「……素人の適当に作ったネタをちゃんと漫画として面白く仕上げられるんだ。あんたは才能のある漫画家だよ」
 私たちの言葉が、ちゃんと浅見に届いたかはわからないけれど。

「気分が悪いわ、いい子ちゃん」
 そう言って会議室から出ていく彼女の声が、僅かに震えていることに気が付いたのだった。
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