崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
(そうそう、そのツッコミが欲しかったのよね!)
楽しくなりながら、私は考えていた次のセリフを繰り出した。
「そ、れ、と、もっ! 婚姻届、出すぅ?」
言われた高尚がきょとんとする。
(ほらほら、私の中の正解は『結婚すらしてなかったのかよ!』よ! でも『新婚生活ってコント名なのに!?』も捨てがたいかも)
私は彼がなんと返してくるのかワクワクしながら次のツッコミを待っていた。の、だが。
「そうだな、出すか」
「……へ?」
「別に俺たちいい大人だしな。なかなか都合が合わなくて次の正月に結婚報告しに行くとは決めたけど、別に籍を入れたあとでも問題はないしな」
「え、ちょ、た、高尚?」
「よし、役所に行くか」
「ま、待って待って、違う。そうだけど違うって言うか……それに! 今日、日曜日だし!」
「時間外窓口があるぞ」
あはは、と軽く笑い飛ばされ唖然とする。
(うそ、本当に?)
彼との結婚に異論はない。プロポーズだってされたし、私の左手の薬指には彼が贈ってくれた婚約指輪が輝いている。
楽しくなりながら、私は考えていた次のセリフを繰り出した。
「そ、れ、と、もっ! 婚姻届、出すぅ?」
言われた高尚がきょとんとする。
(ほらほら、私の中の正解は『結婚すらしてなかったのかよ!』よ! でも『新婚生活ってコント名なのに!?』も捨てがたいかも)
私は彼がなんと返してくるのかワクワクしながら次のツッコミを待っていた。の、だが。
「そうだな、出すか」
「……へ?」
「別に俺たちいい大人だしな。なかなか都合が合わなくて次の正月に結婚報告しに行くとは決めたけど、別に籍を入れたあとでも問題はないしな」
「え、ちょ、た、高尚?」
「よし、役所に行くか」
「ま、待って待って、違う。そうだけど違うって言うか……それに! 今日、日曜日だし!」
「時間外窓口があるぞ」
あはは、と軽く笑い飛ばされ唖然とする。
(うそ、本当に?)
彼との結婚に異論はない。プロポーズだってされたし、私の左手の薬指には彼が贈ってくれた婚約指輪が輝いている。