崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
高尚が言ったように、本当はもっと早く婚姻届を出しても良かったのだが、一応親と顔合わせをしてからにするか、となり伸びていたのだ。
親との顔合わせも、会いたくないなどというわけでは決してなく、互いの仕事と親の都合が上手く合わなかったため確実に全員いるお正月にしようとなっただけである。
ちなみにビデオ通話では既に高尚の両親に紹介して貰っており、私の両親のところへは既に挨拶に来てくれていた。
確かに問題はない、ないかもしれないけれど。
「いや、でも、そんなつもりじゃなかったっていうか……!」
立ち上がろうとする高尚の腕を必死に掴み、慌てて首を振ると、高尚がわかりやすく眉をひそめる。
「……つまり、みのりは俺と結婚するつもりはねぇってこと?」
「えぇえっ!? 言ってない、全然そんなこと言ってないけど!?」
「結婚するの楽しみにしてたの、俺だけだったんだ」
「ちがっ! 私だって早く高尚と結婚したい――、あっ」
乗せられるようにそう口にして、ハッとする。
ニンマリと笑った彼を見て、相変わらずからかって遊ばれていると察したからだ。
「最低」
「うはっ、なんでだよ」
「弄ばれた」
親との顔合わせも、会いたくないなどというわけでは決してなく、互いの仕事と親の都合が上手く合わなかったため確実に全員いるお正月にしようとなっただけである。
ちなみにビデオ通話では既に高尚の両親に紹介して貰っており、私の両親のところへは既に挨拶に来てくれていた。
確かに問題はない、ないかもしれないけれど。
「いや、でも、そんなつもりじゃなかったっていうか……!」
立ち上がろうとする高尚の腕を必死に掴み、慌てて首を振ると、高尚がわかりやすく眉をひそめる。
「……つまり、みのりは俺と結婚するつもりはねぇってこと?」
「えぇえっ!? 言ってない、全然そんなこと言ってないけど!?」
「結婚するの楽しみにしてたの、俺だけだったんだ」
「ちがっ! 私だって早く高尚と結婚したい――、あっ」
乗せられるようにそう口にして、ハッとする。
ニンマリと笑った彼を見て、相変わらずからかって遊ばれていると察したからだ。
「最低」
「うはっ、なんでだよ」
「弄ばれた」