崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
ちなみに私はネームと呼ばれる真っ白の紙に初めてコマを割り漫画の形で話作りをする作業から、トーンという清書も済んだ白黒原稿に様々な柄の、アナログだとシール状になっているもので色付けをする作業も含めてフルデジタルで漫画を描いている。
「えっ、み、みのり彼氏できたの!?」
「あー、うん。まぁ……」
そんな浅見との会話の流れで、打ち切りのくだりから彼氏ができたということをツルッと口を滑らせた私は、ぽかんと目を見開く浅見の視線からつい逃げるように原稿へと視線を落とす。
「なんでちょっと自信なさげなのよ」
(そりゃ始まりがアレだからだけど)
「実感がない、とか?」
「いや、それはある」
まだ付き合い始めて二週間ほどではあるのだが、高尚は思ったよりもマメだった。
弁護士という職業柄忙しいのか電話はほぼないが、変わりによくわからないメッセージが届くのだ。
(大体美味しいご飯の話と、あと新作の掃除道具の話だけど)
特に色っぽい内容のメッセージではないが、意味のないたわいない話をわざわざ送ってくれるというのはどこかくすぐったくもある。
「えっ、み、みのり彼氏できたの!?」
「あー、うん。まぁ……」
そんな浅見との会話の流れで、打ち切りのくだりから彼氏ができたということをツルッと口を滑らせた私は、ぽかんと目を見開く浅見の視線からつい逃げるように原稿へと視線を落とす。
「なんでちょっと自信なさげなのよ」
(そりゃ始まりがアレだからだけど)
「実感がない、とか?」
「いや、それはある」
まだ付き合い始めて二週間ほどではあるのだが、高尚は思ったよりもマメだった。
弁護士という職業柄忙しいのか電話はほぼないが、変わりによくわからないメッセージが届くのだ。
(大体美味しいご飯の話と、あと新作の掃除道具の話だけど)
特に色っぽい内容のメッセージではないが、意味のないたわいない話をわざわざ送ってくれるというのはどこかくすぐったくもある。