崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
「え、そうなの? まだ下書き半分くらいじゃなかった?」
「もうすぐ三分の二終わるとこ」
私のその回答を聞いて浅見からうーん、と唸り声が漏れる。
確かにまだ三分の一も真っ白な原稿がある状況で明日から彼氏とデート、と聞くと進捗が不安にもなるだろう。
私も彼女の立場なら難色を示したはずだ。
(でも、多分大丈夫なのよね)
と、言うのも。
「彼氏のとこで下書き終わらせるから大丈夫」
「え、それ、許されてるの?」
「向こうも多分仕事してるし、平気平気」
あはは、と軽く笑い飛ばすが、それでもまだ納得しきれていないのか怪訝そうな顔を向けられたものの、最終的には理解してくれたらしく頷いてくれる。
「まぁ、どうしてもヤバかったら先に背景描くし言ってよね。付き合いが長い私なら、原稿が真っ白でも入れてあげられるから」
「ありがとう、浅見様々だよ~!」
ついでに、そんな心強い言葉までかけてくれた彼女に私はいつものように少しおどけて大袈裟に頭を下げながら感謝を伝え、笑いあったのだった。
「もうすぐ三分の二終わるとこ」
私のその回答を聞いて浅見からうーん、と唸り声が漏れる。
確かにまだ三分の一も真っ白な原稿がある状況で明日から彼氏とデート、と聞くと進捗が不安にもなるだろう。
私も彼女の立場なら難色を示したはずだ。
(でも、多分大丈夫なのよね)
と、言うのも。
「彼氏のとこで下書き終わらせるから大丈夫」
「え、それ、許されてるの?」
「向こうも多分仕事してるし、平気平気」
あはは、と軽く笑い飛ばすが、それでもまだ納得しきれていないのか怪訝そうな顔を向けられたものの、最終的には理解してくれたらしく頷いてくれる。
「まぁ、どうしてもヤバかったら先に背景描くし言ってよね。付き合いが長い私なら、原稿が真っ白でも入れてあげられるから」
「ありがとう、浅見様々だよ~!」
ついでに、そんな心強い言葉までかけてくれた彼女に私はいつものように少しおどけて大袈裟に頭を下げながら感謝を伝え、笑いあったのだった。