崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
「実は、俺にひとり心当たりがあります」
「心当たりですか?」
「はい。完璧で、冷静で、金もあって顔もいい。そして特大の欠点もある」
「欠点!」
「会ってみますか?」
 その言葉を聞いた私が再びガタリと音を立てて椅子から立ち上がった。
「お願いします!」
 縋れるものには縋りたい。だって私は崖っぷちなのだから。
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