崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
「今の俺にとってはみのりとの付き合いがその『当たり前のこと』だからわかんねぇ」
 そして自信満々にそう言ってくれるところも、高尚らしいと思った。
 
 確かに待ち合わせし、ショッピングや映画を観て外食を楽しむ、なんてこの打ち切りの危機を乗り越え連載を安定させなければできないだろうけど。
「それに俺もこうやって仕事してるし、お互い様だろ」
「そっか」
(私は私でいいのかも)
 そのままを受け入れてくれる彼となら、私は私らしく付き合っていけるのかもしれない。
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