崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
まるでどこかのテーマパークのようにおどけながら、少しだけ器のフチにわさびを出してもらった私は、彼の真似をし少しずつわさびを溶かす。
かなりの手抜きうどんだが、こうやってとりとめのない会話を交えながら食べたからか、いつもより美味しく感じた。高尚も、私の作ったうどんで満足してくれたらしく最後の一滴までちゃんと飲み干してくれる。
「みのりも完食? なら器貸して。食洗器に入れてくる」
「ありがとう」
「いや。こっちこそ作ってくれてありがとな。嬉しかったし美味しかった」
直球の言葉に少し気恥ずかしくなりながら、言われるがまま器を渡す。するとすぐに高尚がキッチンへと歩き出した。そんな彼の背中を眺めながら、なんだか不思議な気持ちになりつついつの間にか定位置になっているソファへと移動する。
(包丁ひとつ使わない手抜き料理を出されても、怒られないどころかお礼まで言えるのよね)
当たり前といえば当たり前なのだが、その当たり前を自然にできる高尚を見て胸の奥がほわりと熱くなる。こういうところ、すごくいいな。なんて改めて実感しつつ、反対に彼は私のどこが良かったのだろう。
かなりの手抜きうどんだが、こうやってとりとめのない会話を交えながら食べたからか、いつもより美味しく感じた。高尚も、私の作ったうどんで満足してくれたらしく最後の一滴までちゃんと飲み干してくれる。
「みのりも完食? なら器貸して。食洗器に入れてくる」
「ありがとう」
「いや。こっちこそ作ってくれてありがとな。嬉しかったし美味しかった」
直球の言葉に少し気恥ずかしくなりながら、言われるがまま器を渡す。するとすぐに高尚がキッチンへと歩き出した。そんな彼の背中を眺めながら、なんだか不思議な気持ちになりつついつの間にか定位置になっているソファへと移動する。
(包丁ひとつ使わない手抜き料理を出されても、怒られないどころかお礼まで言えるのよね)
当たり前といえば当たり前なのだが、その当たり前を自然にできる高尚を見て胸の奥がほわりと熱くなる。こういうところ、すごくいいな。なんて改めて実感しつつ、反対に彼は私のどこが良かったのだろう。