崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
「えーっと、今浅見……来栖あさみ先生がアシスタントに来てくれていて」
『知ってますよ。流石に友人の彼女の家でふたりきりになるような馬鹿ではないつもりなんで』
はは、と笑いながら言われた言葉にじわりと顔が熱くなる。私自身が増本さんへ高尚と付き合うことになったとは言っていないので、高尚が教えたのだろう。
(まさかワンナイトから始まったなんてことは言ってないわよね!?)
そんな不安が頭を過るが、高尚の性格を考えれば言ったりはしないかとそう考え直した。
「わかりました、えーっと、家はわかります?」
『お忘れかと思いますが、謝恩会で酔った先生を送ったことがあるので知ってます』
「アッ」
そうだった、と封印していた醜態を思い出しつつ返事し通話を終える。
「担当さん、なんだって?」
「いや、なんか今から家に来るって」
「えッ、担当編集が家に来るとかあるの!?」
「私もはじめて」
戸惑いつつもそう答えると、電話を切ってから十分もせずにインターホンが鳴った。
『知ってますよ。流石に友人の彼女の家でふたりきりになるような馬鹿ではないつもりなんで』
はは、と笑いながら言われた言葉にじわりと顔が熱くなる。私自身が増本さんへ高尚と付き合うことになったとは言っていないので、高尚が教えたのだろう。
(まさかワンナイトから始まったなんてことは言ってないわよね!?)
そんな不安が頭を過るが、高尚の性格を考えれば言ったりはしないかとそう考え直した。
「わかりました、えーっと、家はわかります?」
『お忘れかと思いますが、謝恩会で酔った先生を送ったことがあるので知ってます』
「アッ」
そうだった、と封印していた醜態を思い出しつつ返事し通話を終える。
「担当さん、なんだって?」
「いや、なんか今から家に来るって」
「えッ、担当編集が家に来るとかあるの!?」
「私もはじめて」
戸惑いつつもそう答えると、電話を切ってから十分もせずにインターホンが鳴った。