崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
(資料漫画にしては渋いけど)
怪訝に思いながら表紙を確認すると、なんと弁護士ものの漫画のようである。
「さかこれで弁護士との付き合いを学べとかそういう……?」
「ははっ、まさか!」
そんな想像をしドキリとするが、どうやらこの漫画は私宛ではないらしい。
「それ、高尚が読みたいって探してたんだよ」
「そうなんですか?」
いつも敬語の増本さんが砕けた話し方になる。友人の話になって少し気が緩んだのだろう。
(高校からってことはかなり長い付き合いになるんだもんね)
目元も柔らかく細まっており、ふたりの仲の良さがうかがえた。
「流石に仕事で使うわけじゃないだろうけど、結構探してたから」
「電子で配信とかしてないんです?」
「それ、実は結構古い漫画で。先生も割と年配の方だから許可が出なくて、かつ絶版になっていて」
「あー」
「多分俺より先生の方があいつに会うの早いと思うんで、渡しておいて貰えませんか」
「わかりました」
「つーわけで、さっきのケーキは頼み事のための賄賂みたいなもんです」
「あはは、なるほど」
怪訝に思いながら表紙を確認すると、なんと弁護士ものの漫画のようである。
「さかこれで弁護士との付き合いを学べとかそういう……?」
「ははっ、まさか!」
そんな想像をしドキリとするが、どうやらこの漫画は私宛ではないらしい。
「それ、高尚が読みたいって探してたんだよ」
「そうなんですか?」
いつも敬語の増本さんが砕けた話し方になる。友人の話になって少し気が緩んだのだろう。
(高校からってことはかなり長い付き合いになるんだもんね)
目元も柔らかく細まっており、ふたりの仲の良さがうかがえた。
「流石に仕事で使うわけじゃないだろうけど、結構探してたから」
「電子で配信とかしてないんです?」
「それ、実は結構古い漫画で。先生も割と年配の方だから許可が出なくて、かつ絶版になっていて」
「あー」
「多分俺より先生の方があいつに会うの早いと思うんで、渡しておいて貰えませんか」
「わかりました」
「つーわけで、さっきのケーキは頼み事のための賄賂みたいなもんです」
「あはは、なるほど」