崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
というか、こんなこともし口にしたら、『誰が乙女だって?』なんて純粋な疑問という一番心に刺さる攻撃が来るだろう。
それにいつも部屋がキレイな高尚のことだ。そもそも部屋がどのレベルで荒れているかなんてわかっていないはず。
きっと、ゴミがゴミ箱に入っていない、空のペットボトルが転がっている、資料で見た本が床に積まれ、元あっただろう本棚には隙間ばかり……なんて状況にドン引きする姿がありありと想像できた。
「えっとね、実は高尚には見せられないレベルというか、とにかく生半可な覚悟じゃこの家にあげられないというか」
「……秀次は入れたくせに」
「へ?」
(ま、まさかヤキモチ妬いて来たってこと? だから電話での態度も酷かったの?)
ぼそりと重ねられた言葉にぽかんとする。
家に入れた、なんて高尚は言っているが、実際増本さんは玄関の敷居すら跨いでいない。増本さんにからかわれたのか、単純に高尚が早とちりしたのかはわからないが、彼の主張に驚いた私が訂正しようと口を開いた、その時だった。
「えーっ! もしかしてみのりの彼氏さん!?」
それにいつも部屋がキレイな高尚のことだ。そもそも部屋がどのレベルで荒れているかなんてわかっていないはず。
きっと、ゴミがゴミ箱に入っていない、空のペットボトルが転がっている、資料で見た本が床に積まれ、元あっただろう本棚には隙間ばかり……なんて状況にドン引きする姿がありありと想像できた。
「えっとね、実は高尚には見せられないレベルというか、とにかく生半可な覚悟じゃこの家にあげられないというか」
「……秀次は入れたくせに」
「へ?」
(ま、まさかヤキモチ妬いて来たってこと? だから電話での態度も酷かったの?)
ぼそりと重ねられた言葉にぽかんとする。
家に入れた、なんて高尚は言っているが、実際増本さんは玄関の敷居すら跨いでいない。増本さんにからかわれたのか、単純に高尚が早とちりしたのかはわからないが、彼の主張に驚いた私が訂正しようと口を開いた、その時だった。
「えーっ! もしかしてみのりの彼氏さん!?」