抜け、幸子!
「幸子、お前はどうするべきやと思ってんねん?」

「わからへん……

わからへんけど、アタシは抜くべきやと思う。

障がい持ってても可哀想やって思ったらあかん。

何かをしてあげようと思うのは変やと思うねん。

同じ人間やんか。

一緒に頑張ることを考えなあかんって思うねん」


「お前がそう思うんやったら抜け。

自分を信じて手を抜かんと、芳樹を追い抜け」

「……人になんて言われてもかまへんねんけどな

……でもアタシ、ホントにそれでええんか自信ないねん」



幸子の目に、こらえていた涙があふれた。


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