月とスッポン ありのままは難しい
パネルをもとに戻し、様々な百人一首グッズの中から、日持ちがしそうなサブレと煎餅を持てば
「あちらにある百人一首みくじはいいのですか?」
「ほしいですけど、欲しいものが選べないのはやめておきます」
「そうなんですか?」
「くじ運が恐ろしく悪いんです。なので、ここで運を使いたくないんです」
「なるほど。では、代わりに私が」
そう言いながら、無造作に取り手から一枚を取り出す。
購入するお土産の山の上に、大河が百人一首みくじを置く。
財布を取り出そうとするが、「これぐらい一緒に払います」と大河よりも先に支払いをする。
「ものやおも ふとひとの とふまて」
大河が選んだ取り札を読みながら、ひと足先に外にいる大河と合流する。
「『ものや思ふと人の問ふまで』と書かれています」
「どういう意味?」
「《天皇や上皇の命により編纂された古今和歌集などを勅撰和歌集の中で【古今和歌集】【後撰和歌集】と共に「三代集」と言われる【拾遺和歌集】に収載され、平兼盛の歌です。我ながらヒキがいい》」
「取り手って事は下の句だよね」
「《平兼盛は光孝天皇の玄孫にあたり、平安時代中期の藤原公任が推薦する優秀な歌人、三十六歌仙の一人なんですよ》」
質問しているのに流される。
「三十六歌仙とは?」
「《【三十六歌仙】とは、藤原公任が編纂した【三十六人撰】に選ばれ柿本人麻呂、小野小町、在原業平などが含まれたすぐれた歌聖として崇拝された 36人の歌人の総称です》」