月とスッポン ありのままは難しい
指で3を作って大河に見せつけてみる。
「3部」と呟いているところに
「東京まで約6時間。帰りはどっちを観ますか?競技カルタの方ならならギリに終わりそうですねぇ」
「現代か明治か?悩ましい事とですね」
本当に真剣に悩む大河。
よし、これで話がそれた。
三重塔を見上げる。
「《あちらにある四脚門を正面として潅頂堂、唐門、大師堂が一直線上に建造物が立ち並んでいるこのエリアは【唐院】と言い、寺を再興した智証大師円珍の尊像を祀った大師堂を御廟とする寺内で最も神聖な浄域です。
元々唐院は先ほど車を停めた場所の近くにある護法善神堂がある場所にあったそうで、豊臣秀吉による破却後の再興で最も早い1598年に現在地に再建されました。
金堂前の参道より一段高く塀に囲まれていますね》」
繋いだ手を指示棒代わりに説明が始まる。
「《灌頂堂は清和天皇より下賜された仁寿殿と伝えられ、大師堂の拝殿としての役割を備えています。
内部は前後2室に分かれ、伝法灌頂などの密教の儀式が執り行われる道場で、現在の建物は桃山時代から江戸時代に掛けての慶長年間に再建され国の重要文化財に指定されています》」