月とスッポン      ありのままは難しい
「私が知っている大河さんの話をしているのよね。
もしそれが同一人物なら2人のやり取りを実際に見ても信じられそうにないわ」
「でしょ。あんなテンポよく話している大河さんを見た時の衝撃を2人にも見せたいもの」

すっかり冷め切った紅茶を優雅に飲むお姉様は一枚の絵のようだ。

「茜さんは大河君の何が不満なんですか?」
「大河さんに対して不満はありません。ただこのままでは良くないとは思ってます」
「なぜ?」

なぜと言われても・・・
なぜだろう?

「元々、海に好きな人が出来てその人の元に行ったら、私は1人で生きていくって思ってて」

拙い、思った事をそのまま言葉にしているだけの話をお姉様達が「うん、うん」と聞いてくれる。

「何か趣味を見つけないとって思って始めた事なので」

1人で生きていく。
でもそれはネガティヴではなくポジションに捉えていると伝わっただろうか?

「運転が好き歴史が好きならば、遺跡巡りは人生を費やしても終わらないとても良い趣味ですね」

イケオジがいい事を言う。
でも、お姉様方は見方が違う様で

「1人で生きていくと決めるには早過ぎるでしょ」
「そうよ。人生を彩る出会いと別れを繰り返し楽しまないといけないわ」

そうか。
それが一緒にいたくない理由にはならないのか。
お姉様が言うのならそうに違いない。

その他の理由を考える。
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