月とスッポン ありのままは難しい
大河の講義を聞きながら、四脚門を潜り、階段を下る。
橋を渡ろうとする大河を引っ張り、金堂の方へと戻る。
一切経蔵から唐院へと渡る石橋の下へ向かう。
そのまま潜ろうとする大河を止めて、誰もいない空間から脳内再生で、飛び降りてくる主人公を再生する。
なんらスマホをいじる大河を無視して、ヒロイン気分を味わう。
橋を下から見上げる。結構、高い。飛び降りれなくはないが、上手に着地する自信はない。
役者さんすごいなぁ
と見上げていれば、
「なるほど」と頭の上から声が降ってくる。
「昔の建築物が、解体する事を前提に作られているそうです。もちろん、それにも高度な技術が必要なんだそうですけど」
感銘を受けている所申し訳ないが、その話は終わっていたはずでは?
「先を見据えた技術。素晴らしい」
終わっていなかったらしい。
きた道に戻り、【村雲橋】と看板のある石橋を渡る。
「《この村雲橋は、平安時代の853年に唐に渡り長安の青竜寺で学んだ智証大師が、帰国後この橋を渡ろうとした時、青竜寺が焼けているのを感知し、真言を唱えながら橋上から閼伽井水を撒くと、橋下から一条の雲が湧き起こり西に飛び去ったそうで、翌年、青竜寺から鎮火のお礼の使者が来たと。
このことから、この橋はむらがり立つ雲の橋=村雲橋と呼ばれるようになったそうです》」
「はい、そう書かれていましたね」
「青龍寺に行きたいとは言わないんですか?」
「中国は遠いですから」
「確かに。でも、パリには行こうとしてますよね」
「お姉様が会う為なら、どこまででも」
「雫の為には労力を惜しまないと」
「ですね」