月とスッポン ありのままは難しい
何か記念をと思い、グッズを見て回るも結局は買わずに外に出る。
買えばよかったと後で後悔するんだよなぁ。でも、これと言って欲しいものがなかったから、仕方がない。
帰って後悔したらまた買いに来ます。
と文化財収蔵庫と微妙寺に合わせてお辞儀を次の目的地へと元気よく歩き出した。
後ろからフッと笑い声が聞こえて、振り向く。
「若いですね」と肩を揺らす大河に
「あっ、気が利かなくて。そこで休憩しますか?」
後ろにある茶屋を指差す。
大河はすぐに私の意図を読み取り
「定期的にジムに通っていますので、茜よりは体力はあると自負しています」
素早く私の手を引き歩き始める。
「ジムで汗をかくのは気持ちがいいですよ。もしよろしければ一緒に汗をかきませんか?」
どこぞのジムのキャッチフレーズのように誘う。
「仕事で歩き回って、体を動かしてる人間に言います?お金を払って運動をする意味がわからない」
肩をすくめてわからないのポーズをする。
広げた手を大河に取られ、再び歩き出す。
「登った先にある観音堂の正面にカフェがあるので、休憩をするならそこまで行ってしまいましょう」
「おー」
繋いだ手をそのまま上に上げ、緩やかな坂を登っていく。
少しだけ開けた場所に大手清涼飲料水メーカーの名前を見つけた。
「大河も植樹とかやれば?」
「いいですね。東雲辺りが喜んで企画書とか提出しそうですけど」