月とスッポン      ありのままは難しい

車を降り、東大門を目指し歩き出す。

プリンにさつまいも、お土産屋を横目に帰りに寄っていこうと遠目で中を確認しておく。

「《聖武天皇の勅願により良弁僧正が開基、東寺真言宗大本山である石山寺は、奈良時代天智天皇の時代、660年代は石切り場とされていたそうです。
その後、747年 天平19年、聖武天皇は東大寺大仏の造立にあたり、像の表面に金メッキを施すための大量の黄金を得られるよう吉野の金峯山良弁に命じたそうです》」
「願えば出てくるってすごいね」

「金峯山はその名の通り、【金の山】と信じられていたそうですよ。
そうしたところ、良弁の夢に吉野の金剛蔵王が現われ、「近江国志賀郡の湖水の南に観音菩薩の現われたまう土地がある。そこへ行って祈るがよい」と夢のお告げにしたがって石山の地を訪れた良弁は、比良明神の化身である老人に導かれ、巨大な岩の上に聖徳太子念持仏の6寸の金銅如意輪観音像を安置し、草庵を建て所程なく陸奥国から黄金が産出されそうです。
ただ実際は2年ほど経っていたそうですけど》」
「奈良から滋賀。陸奥って事は東北?2年かけて東北まで行けば祈らなくても見つかる気がするのは気のせい?」

「当時は今のように機械や地図はありませんでしたので、探すには非常に困難だったと思います。
特定の植物が鉱山近くに多く生えることを経験から得た知識で、そのような場所を探すぐらいしか金山を見つける方法はなかったかと」
「それは、それは。神頼みでヒントだけでも貰いたい気持ちがわかった気がします」
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