月とスッポン ありのままは難しい
階段を登り切る。
振り向けばやはりなかなかの高さだ。
登ってすぐに見える観音堂から回る。
小さな祠にびっしりと祀られている観音像。
これって、微妙に違って自分と似たあるいは誰かに似た観音像がいるってやつだろうか?とひとつづつ見て行く。
「《石山寺の御本尊の如意輪観音を中心に西国33ヵ所の全ての尊像を安置しているとの事ですが、こう並んでいると圧巻ですね》」
書いてあると言おうと思ったが、先に言われてしまった。
ふふんと得意げな顔がイラつく。
「西国33ヶ所。四国88ヵ所巡りは聞いたことありますけど。巡るには四国だけじゃないんですね」
「《西国三十三所は、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、奈良県、滋賀県の近畿地方2府4県と岐阜県にまたがる33の観音菩薩を祀る。日本最古の巡礼路だそうですよ。》今度周りますか?」
「周りません」
即答しつつも「四国は少し憧れますが」と付け加えると、「私もです」とふふんと微笑まられる。
今日はよく微笑む奴だ。
「《観音菩薩を信仰し、観音様の慈悲に触れることを目的として、718年に長谷寺の徳道上人が始めたと伝えられています。
33ヶ所全ての寺院を巡拝し、御朱印を頂くことを【満願】といい、極楽浄土への通行証になると信仰されています》」
「極楽に行く前に貰わないとね」
「33ヶ所を元気な内に回って、現世を満喫するのもいいかもしれません」
機会がありましたら、33ヶ所巡りますので、今回はこの場で
と手を合わせる。