月とスッポン ありのままは難しい
しっかりと挨拶をする。
「そんなに淀様が好きなら大阪に一度行かないとですね」
「太融寺は行きたい所リストの上位です」
「太融寺ですか?大阪城ではなくて」
「淀殿の遺骨は、大坂城外鴨野郷弁天島に祠を作って埋められ、のちに豊臣家に縁の深い太融寺に移され祀られています」
「それは行かないとですね。淀殿参りが終わったら、浅井三姉妹攻めですか?」
「江のお墓がある増上寺には行ったんですけどね。福井かぁ。織田信長から攻めるか、徳川から攻めるかそれが問題です」
登り切った石山の上に立つ高床式の建物を見上げながら呟く。
「《経蔵です。
頭貫木鼻の意匠や桁、垂木の反り増しから桃山時代の16世紀後期に建立されたと比定され、滋賀県最古の校倉造の建造物とされます。類例の少ない切妻造の校倉造様式であることから、重文に指定されています》」
「経蔵って事は経典を納めるって事ですよね。凄い場所にありますね」