月とスッポン ありのままは難しい
なんて言い合っていれば、目の前には多宝塔。
「《真言密教の本尊 大日如来坐像を安置しています。
多宝塔は、鎌倉時代初期の1194年 建久5年の建立とされ、源頼朝の寄進と伝わります。
正確な年代が特定でき、建立当初の形態を保つ多宝塔としては国内最古かつ最も美しいと称されます》」
「確かに」
「《現存最古の多宝塔は金剛寺多宝塔で建立年代は平安時代末期に溯りますが、慶長年間に大修理を受け当初の面影はありません。
それに対し石山寺多宝塔は慶長の修理で軒回りが取替えられ小屋組も刷新されましたが、軸部や組物は当初材を残して原形を留めています。
屋根の反りや軒の深さなど均整の取れた優美な塔で、鎌倉時代の様式を持ち、また究極の構造美を有することから、和歌山県の金剛三昧院多宝塔や大阪の慈眼院多宝塔と並び【日本三名塔】のひとつに数えられています》」
「やっぱり一度和歌山へ行かねばですね」
地図を開き、どちらに行こうかと悩む。
「右に行けば【月見亭】」
「《1156年からの平安時代後期の保元年間の後白河上皇の行幸の際、月見を敢行するために建立された【玉座】ですね。
眼下には瀬田川から琵琶湖、更にその先にある北比良の峰々までが一望できる絶景スポットです。ここから眺める景色は【石山の秋月】と称され、江戸時代後期の浮世絵師 歌川広重が描いた名所絵【石山秋月】はそこで描かれたと言われています》」
「からの御影堂」
「《県指定文化財である【御影堂】は、1398年ごろ 室町時代前期に建立された。三昧堂、開山堂とも呼ばれ元々は法華三昧の道場で、淳祐内供の住房普賢院の損壊、廃絶後に弘法大師、良弁僧正、淳祐内供の御影を普賢院から遷して御影堂になったそうです》」