月とスッポン ありのままは難しい
「海老名まであと1キロだって」
ようやく終わりが見えた。車を降り、大きく伸びをする。
帰ってきたと言う感じがするが、最後の難関首都高が待っている。
「このまま、運転でも大丈夫ですよ」
「いや、交代は交代なんで。っていうか、家で降ろせば良いんですか?」
「茜の家まで行ってください」
「遅くなっちゃいますけど、大丈夫ですか?」
純粋に心配しただけなのに、ムッとした顔をされるのは解せない。
「そのまま車を回収して帰るので問題ありません」
「確かに」
この車どうするんだ?
調子に乗ってあれこれと乗せ込み、あれこれと買い漁った身としてはありがたい。
帰ったら、すぐに寝るとして。
コーヒーを買い、車に乗り込む。
最後の正念場だ。
と気合を入れ直し、アクセルを踏んだ。