月とスッポン      ありのままは難しい

「正直に言うけど、比叡山への旅で最後かどうかを見極めるつもりではいた。けど、楽しかったので、これっきりにするには惜しいとは思って。このままってわけにはいかないけど、大河さんが飽きるまではこのままでも良いかなぁって。
予めいつどこへ行くって言っておけば、忙しい大河さんの方からお断りがあって、段々減って行って、一人で行く事が多くなって、誘う事もなくなっていくのかなぁって、それでも良いかなぁって思っていました」


ただ思った事を言葉にしていく。妙な間が空いても、相槌を打つだけで黙って大河は私の話を聞き、最後に「そんな寂しい事は言わないでください」と呟いた。

覚悟を決め、もう一度大河を真っ直ぐ見る。

「なので、考える時間をください」
「そんな気がしていました。断らなかっただけ良しとしましょう」

なぜ上から言われているのだろうか?
それはとりあえず横に置いておこう。

私の頭を顎でグリグリとし始める。

「ちなみにどれぐらい考える予定ですか?
雫から茜は考え過ぎると変な方向へ向かい傾向があると言うので、なるべく早く返事が頂きたいのですが」

頭に顎を乗せたまま話すのだから、ガクガクと頭に響く。
それも楽しいようで、今度はカクカクと顎を動かし始めた。
楽しいようで何よりだ。

と思いつつ、いつ考えようかと思いを言葉にする。

「とりあえず、今度の休みに浅間神社攻めをしながら富士山を一周回るでしょう。
それから研修って事で達ちゃん達と京都にスッポンを食べに行くって言っていたから、前後1日休んで京都観光させてもらうつもりだし、
紅葉前に日光に行っておきたいと思っているので、それを終えた後ぐらいでもいいですか?」
< 182 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop