月とスッポン ありのままは難しい
立ちはだかる階段をゆっくりと登りながら、大河が「言い訳をがましくて言いたくないんですけど」と前置きをつけた。
「今回休みを確保するのに、慶太郎が予定を詰め込みまして。それで調べる時間が取りにくかった上に、こういう時に限ってトラブルが普段以上に舞い込んでしまい、ますます時間を割く事が出来なかったんです。それに比叡山は宗教的に見るか、建築物として見るかで」
言い訳が続く。
どうでもいい。
そうか、忙しかったのか。
「忙しかったのなら、無理に来る必要はなかったのでは?」
「茜ならそういうと思って言いたくなかったんです」
階段を半分まで登り、踊り場で一息つく。
後を振り返れば、根本中堂を見下ろしきつい傾斜だと実感させられ、上を見ればもう一踏ん張りだと気合を入れる。
「って言うか、予習復習を欠かさない大河さんと違って初見で楽しむ私に言われてもねぇ。って感じです」
階段を上り切り、「頑張って登ったな」下を見下ろす。
目の前に現れた門を見あげていれば
「《文殊楼ですね。868年 貞観8年に、円仁が【常坐三昧】の修行を行なう道場として、唐留学時代に修行した文殊菩薩の聖地である五台山の文殊菩薩堂に倣って創建したのが始まりです。
1642年 寛永19年、天海僧正の教えもあって、徳川家光により重層和唐様式に再建されたものの、20年経って火事で焼失。その後の再建でされ、国の重要文化財に指定されています》」
予習出来なかったという割には主要箇所はしっかりと頭に入っているらしい。
「今回休みを確保するのに、慶太郎が予定を詰め込みまして。それで調べる時間が取りにくかった上に、こういう時に限ってトラブルが普段以上に舞い込んでしまい、ますます時間を割く事が出来なかったんです。それに比叡山は宗教的に見るか、建築物として見るかで」
言い訳が続く。
どうでもいい。
そうか、忙しかったのか。
「忙しかったのなら、無理に来る必要はなかったのでは?」
「茜ならそういうと思って言いたくなかったんです」
階段を半分まで登り、踊り場で一息つく。
後を振り返れば、根本中堂を見下ろしきつい傾斜だと実感させられ、上を見ればもう一踏ん張りだと気合を入れる。
「って言うか、予習復習を欠かさない大河さんと違って初見で楽しむ私に言われてもねぇ。って感じです」
階段を上り切り、「頑張って登ったな」下を見下ろす。
目の前に現れた門を見あげていれば
「《文殊楼ですね。868年 貞観8年に、円仁が【常坐三昧】の修行を行なう道場として、唐留学時代に修行した文殊菩薩の聖地である五台山の文殊菩薩堂に倣って創建したのが始まりです。
1642年 寛永19年、天海僧正の教えもあって、徳川家光により重層和唐様式に再建されたものの、20年経って火事で焼失。その後の再建でされ、国の重要文化財に指定されています》」
予習出来なかったという割には主要箇所はしっかりと頭に入っているらしい。