月とスッポン      ありのままは難しい
あれから遠出をしようとすれば大河さんが現れて、何故か長野に伊勢にと出掛けてはいるが、
海が結婚したのでそろそろ終わりにするべきだと考えている。

梨花さんから
『それが最後って思うなら、思いっきり素の自分を出せばいい。それで気まずくなる様なら、もう誘う事も誘われる事もないだろうし。それが苦じゃなかったら、どんな事だって苦じゃないから』
と言われて素の自分、本当の自分とはと考えているがよく分からない。

だから理想の自分になろうと思ったがそれもよくわからない。

とにかく見た目からと、ここに来た。

「そう」

お姉様が何とも言えない顔をしていらっしゃる。

「スキンケアにお金を使う事は悪くないわ。肌は正直だから、惜しむ事なく注ぎ込みなさい。とりあえずスキンケアと同じ所の化粧品を使ってみなさい。今まではどうしていたの?」

色付きリップを塗っただけで冷やかされる職場なので、顔色の悪さとたまに出来る出来物のを隠す為にしか化粧を施さない事。

一刻の早く寝る事を優先している生活の為、これ一本で済ませられるモノを選んでいる事。

などを説明すればお姉様は額に手を当て溜息をついている。

「今時小学生でもそんな事言わないわよ」

そうつぶやく。

「思考回路は小学生以下、態度は昭和生まれの歩くハラスメントですけど、悪い人ではないんです」

料理センスも一流ですよ。
と一応フォローを入れておく。

< 4 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop