月とスッポン ありのままは難しい
砂利が引かれた坂道はなかなか足にくる。
体力がある内に回って正解だった。
そう自分に言い聞かせていると、覆われた木々が終わり、青空が広がっている。
「あと少しな気がする」
「あの漆喰の建物ですね」
突如現れた様に感じた浄土院に辿り着き、ここで修行している人がいる。そう思うだけで、静粛な気持ちになる。
白砂の綺麗な庭園を写真に収め、静かに御廟所に手を合わせ、ここに来れた事をお礼する。
立ち去る前にもう一度深くお辞儀をして、来た道に戻ってきた。
山に登っていく階段は、それだけで絵になると写真に収めていれば
「この上には、かの武蔵坊弁慶が修行したと言われる山王院堂がありますが、行きますか?」
と大河に問われる。
「この階段の上。次回に取っておきましょう」
うん、それがいい。次回のお楽しみは取っておくべきだ。
つい走りそうになるのを抑えながら、ゆっくりと下っていく。