月とスッポン      ありのままは難しい

「ヤバい。満足」

「《自然石を加工せずそのまま積み上げる【野面積み】という技法での石垣を得意としていた石工集団が穴太衆。
その穴太衆が手掛けた石垣を【穴太積み】です。
穴太積みはとても頑丈であり、焼き討ち後、再興の目を徹底的に潰すため、焼け残った石垣などの打ちこわしを命じたけどなんとも頑丈すぎてなかなか壊すことができなかったんだそうです。
それを信長に進言すると、信長は【安土城】の築城に穴太衆を採用しました。
技術力を評価されて安土城の石垣を施工し、織田信長や豊臣秀吉などが城郭の石垣構築にも携わらせるようにななりました》」

「《江戸時代までに造られた石垣のある城では、多くが穴太衆の指揮で作られていて、一説には約8割近くは穴太衆が携わってたと言われているそうですよ》」

最後のしめを奪ってみる。
たまにはいいよね。

「お詳しいですね」
少し不服そうな大河に満足したので、腰に手を当て、
「これを見るために来ましたから」
と胸を張ってみる。

「なるほど」



階段を登り切り、横川中堂に祀られている聖観音菩薩立像脇侍の横には【毘沙門天】と【不動明王】がいて、そこから堂内をぐるっと一周回る。
黄金の小さな観音様達によって作られた道をゆっくりと歩いた。
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