月とスッポン ありのままは難しい
御朱印をお願いしていた大河が「圧巻ですね」と後ろからやってくる。
「《ご本尊の観音像は天台系の典型とされ、この姿が根本像として流布されたものと言われています。
円仁が入唐する際、暴風に遭遇し、あわや大海に没せんとした時、観音力を念ずると観音菩薩が現われ、忽ち風晴れ浪平らいだといいます。帰山後、一堂を建てて観音様を祀ったのが横川中堂の始まりです。
堂宇の中央部が2m程下がっており、そこに本尊の円仁作と伝わる聖観音菩薩が祀られています。
丁度、参拝者と観音菩薩の目の位置が同じになるように設計されています》」
回り終え、改めて観音像と目を合わせる。
わかっていても、ちょっと嬉しい。
横川中堂を出て「また会いに来ます」とお礼を言い、頭を上げる。
入り口の脇にある柵に囲まれた岩に目をやればすぐにガイドが入る。