月とスッポン ありのままは難しい
時間を気にしつつ、「足早で申し訳ない」と詫びながら、東本宮に背を向ける。
「《鴨玉依姫は賀茂氏の祖神とされています。彼女は賀茂別雷神の母として知られ、京都にある賀茂御祖神社、下鴨神社に祀られています》」
「京都の下鴨!」
「いいですよね」
「年に一度お祭りの時だけ池の中に入れるらしいです」
「狙って行きますか?」
「夏の土日は難しいけど、行けたら行きたいね」
山の向こう側にある京都に想いを馳せながら、日吉三橋を制覇すれば初めの鳥居に戻り、日吉大社一周制覇だ。
初めの鳥居を潜ると、その横に大きな階段と歴史を感じさせるが見える。
この古さは穴太衆の作品だのか?
この大きな階段はどこまで続くのだろうか?
と見眺めていれば
「こちらの階段を登って行けば、根本中堂まで続く参道です」
「参道って言うか楽しさが微塵も感じられないんですけど」
「でも、この道を信長陣営達が登って行った道だと言われるとロマンを感じます」
「私は絶望を感じるけどね。絶対途中から完全なる登山になりそうなんで。いくなら勝手に今から登って行ってください」
車に向かいつつ話は続く。
「いえ、明智光秀が私を呼んでいますので。時間が差し迫っていますので急ぎましょう」
私の手を引き歩き始める。
足の長さが違うんだ!
大股で歩く大河に小走りする私。
足の長さを考慮しろ!