口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
左と右から同時に勢いよく中央で掲げられたサーベルの剣先が空中でぶつかり合い、バツ印を描く。
カチンと小気味のいい音が響けば、すぐに伸ばしていた腕が引っ込められてしまう。
つぐみが驚いている間に胸元で構えの体制を取ると、彼らは再び剣を頭上に掲げた。
「つぐみ」
ぼんやりとそれを見つめていたつぐみは清広に名前を呼ばれたことで、我に返る。
(ぼんやりしている場合じゃ、なかった……)
彼女はっとした様子で彼の腕に手を絡め、ゆっくりと一歩を踏み出した。
「愛し合っている証拠を見せよ!」
その時、一列目にいた男性達がサーベルの剣先を足元に下ろし、新郎新婦の行く手を阻んだ。
大声で前方から怒鳴られたつぐみは思わず肩を震わせ硬直するが、清広は何事もなかったかのように彼女と向かい合うと、額へ口づけた。
その姿を見た男性達は再び剣先を上空に掲げ、二人に先へ進むように促してくる。
(即席の、検問みたい……)
二列目に歩みを進めれば、鋭い切っ先が足元に突きつけられてしまう。
「もう一度」
一度目は手のひら、二度目は額。
そして、三度目は頬だった。
カチンと小気味のいい音が響けば、すぐに伸ばしていた腕が引っ込められてしまう。
つぐみが驚いている間に胸元で構えの体制を取ると、彼らは再び剣を頭上に掲げた。
「つぐみ」
ぼんやりとそれを見つめていたつぐみは清広に名前を呼ばれたことで、我に返る。
(ぼんやりしている場合じゃ、なかった……)
彼女はっとした様子で彼の腕に手を絡め、ゆっくりと一歩を踏み出した。
「愛し合っている証拠を見せよ!」
その時、一列目にいた男性達がサーベルの剣先を足元に下ろし、新郎新婦の行く手を阻んだ。
大声で前方から怒鳴られたつぐみは思わず肩を震わせ硬直するが、清広は何事もなかったかのように彼女と向かい合うと、額へ口づけた。
その姿を見た男性達は再び剣先を上空に掲げ、二人に先へ進むように促してくる。
(即席の、検問みたい……)
二列目に歩みを進めれば、鋭い切っ先が足元に突きつけられてしまう。
「もう一度」
一度目は手のひら、二度目は額。
そして、三度目は頬だった。