口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
「……っ」

 清広はつぐみの薄く開いた唇の中へ舌をねじ込むと、舌同士を絡め取り、情熱的な口づけを交わし合った。

(みんなの前で口づけを交わし合うなんて、恥ずかしくて仕方ないはずなのに……)

 いざ唇同士を触れ合わせれば、周りの目など一切気にならない。
 結婚式の最中だと言うことも忘れ、二人は夢中で互いを貪り食らう。

「こほん」

 神父の大きな咳払いを耳にしたことで正気を取り戻した二人は、どちらともなく自然に唇を離した。

「行こう」
「……はい」

 清広に促されたつぐみは顔を真っ赤にしながらも微笑み、行く手を阻むサーベルが空に掲げられたことを確認し、ヴァージンロードを歩いた。
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