口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
楽しいことだけではなく、つらく苦しい時も彼と共有すると決めたつぐみは、素直な思いを言葉にした。
「それって、私の気持ちを、信じていなかったと言うことですか」
「違う。つぐみが俺を好きなことは、昔からよく理解している。だが、俺達は……幼い頃から、一緒にいただろう」
「はい」
「許嫁ではなかったら、きっとつぐみは……。俺ではなく、他の男を……」
清広が身を引くような発言をした瞬間、彼女は腕の力を強めた。
つぐみが望むのは、自身の為を想って彼が目の前からいなくなる光景ではない。
清広をともに、夫婦として幸せに暮らす未来だ。
「私は清広さんだから、結婚したんです。他の男性だったら、許嫁を解消した時点で縁が切れていました」
「つぐみ……」
「清広さんはもっと私に、感謝をするべきです。普通、一緒にいる時間よりもいない時の方が長い男性と結婚しようなんて、思いません」
「ああ。それは、本当に……。つぐみの海のように広い心が為せる技だと、実感している」
「私の心は、狭いですよ」
清広はつぐみのことをよくわかっているような素振りを見せるが、何一つ理解できていないのだろう。
それは、彼女が弱い自分を見せたくないと──心を閉ざして来た結果だ。
「それって、私の気持ちを、信じていなかったと言うことですか」
「違う。つぐみが俺を好きなことは、昔からよく理解している。だが、俺達は……幼い頃から、一緒にいただろう」
「はい」
「許嫁ではなかったら、きっとつぐみは……。俺ではなく、他の男を……」
清広が身を引くような発言をした瞬間、彼女は腕の力を強めた。
つぐみが望むのは、自身の為を想って彼が目の前からいなくなる光景ではない。
清広をともに、夫婦として幸せに暮らす未来だ。
「私は清広さんだから、結婚したんです。他の男性だったら、許嫁を解消した時点で縁が切れていました」
「つぐみ……」
「清広さんはもっと私に、感謝をするべきです。普通、一緒にいる時間よりもいない時の方が長い男性と結婚しようなんて、思いません」
「ああ。それは、本当に……。つぐみの海のように広い心が為せる技だと、実感している」
「私の心は、狭いですよ」
清広はつぐみのことをよくわかっているような素振りを見せるが、何一つ理解できていないのだろう。
それは、彼女が弱い自分を見せたくないと──心を閉ざして来た結果だ。