口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
「清広さんがお仕事の間、私はずっと心配です。何も言わずにいなくなるなんて、酷いですよ。せめて一言、メモ書きくらいは残せないのですか」
「……そうだな。善処しよう」
「夫婦になったのですから。私はもう、清広さんの顔色を窺って生活する気はありません。本当の自分を曝け出して生きていきます」
嫌な出来事があっても黙って受け入れ、言いたいことがあっても伝えられない大人しい自分とは、決別するのだ。
これからは、清広の許嫁であった幼い頃のように──。
彼のことだけを考え、生きていく。
「こんなはずじゃなかったと後悔しても、もう遅いですからね」
「何を言っているんだ。俺は金沢つぐみを世界で一番、愛している男だぞ。どんな君でも。海より深い愛で、包み込むに決まっている」
「もう……」
清広の言葉を受けたつぐみは、途端に恥ずかしくなったようだ。
彼に抱きついた彼女は、顔を見られないように胸元へ顔を埋めると、夫のぬくもりを堪能する。
「私は今日から、金沢つぐみじゃなくて……。安堂つぐみですよ……」
「それもそうだな」
愛しい妻から指摘を受けた清広は、手持ち無沙汰だからだろうか。
彼女の長い髪を優しく撫でつける。
その心地よさに目を細めたつぐみは、彼に甘えた声を出す。
「……そうだな。善処しよう」
「夫婦になったのですから。私はもう、清広さんの顔色を窺って生活する気はありません。本当の自分を曝け出して生きていきます」
嫌な出来事があっても黙って受け入れ、言いたいことがあっても伝えられない大人しい自分とは、決別するのだ。
これからは、清広の許嫁であった幼い頃のように──。
彼のことだけを考え、生きていく。
「こんなはずじゃなかったと後悔しても、もう遅いですからね」
「何を言っているんだ。俺は金沢つぐみを世界で一番、愛している男だぞ。どんな君でも。海より深い愛で、包み込むに決まっている」
「もう……」
清広の言葉を受けたつぐみは、途端に恥ずかしくなったようだ。
彼に抱きついた彼女は、顔を見られないように胸元へ顔を埋めると、夫のぬくもりを堪能する。
「私は今日から、金沢つぐみじゃなくて……。安堂つぐみですよ……」
「それもそうだな」
愛しい妻から指摘を受けた清広は、手持ち無沙汰だからだろうか。
彼女の長い髪を優しく撫でつける。
その心地よさに目を細めたつぐみは、彼に甘えた声を出す。